ADAPTATION MEASURE 003

再生可能エネルギーの地産地消

BEFORE

遠くで発電されたエネルギーに頼り、地域でエネルギーを循環できなければ、災害に対応できない脆弱なエネルギー社会ができてしまう。

AFTER

再生可能エネルギーを地産地消し、そのエネルギー取引が地域活性化に貢献できる仕組みを作れば、災害に対してレジリエントな地域へと近づく。

気候変動の大きな原因である温室効果ガスを削減するために、太陽光や風力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギーの開発が世界規模で進められている。しかし再エネ発電施設は、時に景観を悪化させたり、地域の資源を消費しているにも関わらず、地元に収益が還元されないケースが少なくなく、災害に対してレジリエントな地域になるために必要なエネルギーの地産地消は実現していない。こうした再エネ発電所と地域、あるいは再エネの地域間流通における歪な関係性は世界的な課題となっている。

こうした中、近年は再生可能エネルギーから生まれた利益を地域に還元するなど、持続可能な再エネの地域循環共生圏を構築するようなサービスが生まれてきている。地域と共生関係を築く地産地消の再生可能エネルギーのあり方は、地域を持続可能にするためには不可欠だと言えるだろう。

CASE.01

再生可能エネルギーの地産地消や都市間流通を実現する「e.CYCLE」

2020年

1 years

「e.CYCLE」は、地域活性のための基金を持つ再生可能エネルギー発電所から電気を預かり、小売事業者へ卸販売することを通じて、再生可能エネルギーの地産地消や都市間流通を実現するアグリゲーションサービスだ。この仕組みは、震災後の福島を皮切りに、日本全国に広がっている。地域の再エネ発電所の電気を集めて電力会社に入札を行い、売上手数料の75%を地域活性化資金として還元する仕組みを構築し、地域を活性化させるさまざまなプロジェクトを行っている。 

同サービスでは全国の自治体と連携協定を結び、「e.CYCLE YOKOHAMA」「e.CYCLE AIZUWAKAMATSU」など、地域での再エネ流通をそれぞれの地域が自分ごととして取り組めるローカルブランドを展開。全国の再エネの約0.1%にあたる約3億kWhの電力を流通させるプラットフォームにまで成長している。

e.CYCLE CHIYODA“ウェブサイト

CASE.02

地域と発電所の良好な関係を築く「いい発電所認証」

2022年

1 years

エネルギーの地産地消を促進するためには、発電所オーナーに対して、立地地域で再生可能エネルギーをできるだけ循環させ、立地する地域を活性化するネットワークへの参加を促すことが大切だ。こうした中、発電所立地地域の自治体が発電所のオーナー企業を表彰し、地域活性化に目を向けさせる取り組みが「いい発電所認証」だ。

本来発電所のオーナーも、地域との良好な関係を望んでいるはずだが、関係性づくりのための細かい仕掛けがなければ、地域と発電所は繋がりづらい。そしていつの間にか、地域を顧みない再生可能エネルギーの仕組みが構築されてしまいがちだ。

こうした再生可能エネルギー発電所と地域を結びつける様々な施策が、地域のエネルギー自給をより強固なものにする。

CASE.03

地域再エネを可視化する特殊ステッカー

再生可能エネルギーは地球環境に良いだけでなく、エネルギーの地産地消を促すことにも役立つ。しかし電気には色も形もないため、仮に地域の再生可能エネルギーを使っていても、それを可視化する術を持たなければ誰にも気づかれることはない。そのため、地域の再生可能エネルギーを使う電気の需要家が、自分たちの選んだ電気に誇りを持って周囲に示すデザインの仕掛けが有効だ。

先述の「e.CYCLE」では、再生可能エネルギーを使っている部屋であることを示す特殊なステッカーを提供し、ドアノブの周りに貼ってもらうことで、地域に役立つ再生可能エネルギーの可視化に取り組んでいる。再生可能エネルギーは通常の電力よりも高価になることがあるが、ひとつのブランドのような形で可視化を促すことによって、再エネ普及の推進が可能になる。

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