BEFORE
山火事は自然現象としても起こるが、多くは下層植生を小規模に燃やすにとどまっていた。また、かつて行われてきた焼き畑や野火などが抑制されたことによって森林が広域に連続し、結果としてより大規模な山火事が発生するようになった。
AFTER
野焼きや表層火を実施することで森林及び草原の大規模火災を減らすことが期待できる。
昨今の気候変動の影響によって頻発かつ深刻化する恐れがある山火事に対する脆弱性を減らし、被害を最小限にとどめることが求められている。
将来の条件により適応した森林生態系にすることを意図した野焼きや表層火など、“火をもって火を制す”山火事防止策が講じられている。
CASE.01
平尾台の野焼き
1972年
例年、平尾台周辺の草原では、景観維持や害虫駆除、林野火災の防止などを目的とした野焼きが行われている。尾根道の防火帯の近くを燃やした後で下側から火をつけることによって草原の遷移(森林化)を防ぐとともに、大規模火災のリスクを減らすことができると考えられている。
CASE.02
小清水原生花園の火入れ
砂州上の原生花園は、蒸気機関車の廃止による非意図的野火の減少、家畜放牧の中止により衰退した。そこで研究者と地元住民が人為的に火入れを行うようになり、色彩豊かな花園を取り戻すことができた。火入れの規模と頻度は毎年気象条件等に合わせて調整している。
Credit: Koshimizu town, Hokkaido
Sources:
北海道小清水町
CASE.03
オーストラリア先住民のCold fire(表層火)
2010年
樹幹が燃える森林火災と異なり、林床の草を燃やす表層火(Cold fire)は大規模火災を防ぐ手段としてオーストラリアの先住民に知られてきた。COOINDAでは2010年にこの方法を復活させたことで大規模火災を半減させることに成功。豪州北部の山火事によるGHG排出を4割削減し、火入れの実施団体は排出権取引制度により8000万ドルの利益を得ることができた。
Sources:
ニューヨークタイムズ (クーリエ・ジャポン)
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