ADAPTATION MEASURE 007

気候変動に対応する栽培技術開発

BEFORE

気候変動による高温化、降雨量増大等の影響で、農業生産の質と量を維持することが難しくなっている。

AFTER

さまざまな技術の開発によって、農産物の品質や農業の生産性を維持することが期待されている。

近年の気候変動による夏季の高温化や降雨量の増加は、農作物や家畜などの育成に悪影響を及ぼし、農業や畜産業の生産性低下が問題となっている。今後さらに進むことが予想される気候変動に適応するために最新テクノロジーや既存の技術を組み合わせ、生産性の維持を図る取り組みが日本各地で進められている。気候変動に対応する栽培技術を開発することによって、地域を支える産業や身近な農作物の栽培を継続することが可能になる。[A-PLAT (https://adaptation-platform.nies.go.jp/) より]

CASE.01

カーネーションの夏季高温対策

3 years

兵庫県のカーネーションは関西市場でトップシェアを誇り、県を代表する花としても広く親しまれてきたが、近年は夏季の高温による品質低下が問題となっていた。そこで冬用エアコンとして利用されているヒートポンプ空調機を、日没後の夜間冷房として導入。日没後4時間を21℃設定で冷房することで終夜冷房に比べて消費電力が約40%削減され、花の品質向上や到花日数の短縮が実現するなど、地域の産業やブランドを維持する上で重要な役割を果たした。

これらは、農林水産省「農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業」の成果の一部です。

CASE.02

暑熱による畜産の生産性低下への対応

10 years

近年の夏の猛暑により、家畜の飼料摂取量低下による増体の抑制、体重減少、熱射病などの影響が生じ、畜産業の生産性が低下していた。こうした中、三重県畜産研究所では畜舎内の空気を冷やすクーリングパッドや、家畜の首筋に水滴を当てて体を冷やすドロップクーリングの導入、養豚における必須アミノ酸であるリジンの市販飼料への添加などを実施。畜舎環境面や飼料給与面を改善することでヒートストレスによる家畜の健康や畜産業としての生産性への悪影響を軽減させている。

CASE.03

モモ果肉障害発生軽減技術の開発

5 years

気候変動の影響による夏季の高温化、雨量の増大はモモの果肉障害を引き起こし、その対策が求められていた。岡山大学を代表とするモモ果肉障害対策技術開発共同研究機関(コンソーシアム)は、高温から果実を守るためにチタンコーティングをした機能性果実袋と、樹の吸水を抑制する透湿性マルチシートを併用する技術を開発し、高い障害軽減効果を得ることができた。技術マニュアル(2016年発行)などでこれらの技術を紹介し、地域の生産農家へ普及することで、気候変動による気温上昇の影響を緩和することが期待されている。

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